国際文化学部の教育理念
山口県立大学の教育理念、「個性豊かな地域文化の進展に資する教授研究」に対応し、
「国際的視点を持ち、地域の諸課題に対応できる教養及び技能を備え、地域の国際化、個性豊かな地域文化の振興と創造に資する人材の育成」を目的とします。
国際文化学部の具体的な教育目標
1. 国際的な視点に立ち、文化の交流、創造、発信のできる能力を育てる
国際文化学とは、多様な価値観や視点が交錯する現代社会における諸問題を、文化と文化の関係(Interculturality)として読み解いていこうとする学問です。国際交流が、国家間のレベルから、地域と地域、人と人とのレベルへと身近なものとなるなか、文化の異なる人と対話し、交流を生みだす力や、普遍的な価値のある文化を発掘し、創造し、発信していくことが求められています。
そこで、国際文化学部では2つの学科を通して、「文化の交流、発信、創造」のできる人材を養成します。なお文化とは、人間活動とその産物、国際とは多様な価値観や視点を意味します。
2. 国際教養を涵養する
国際文化学部では、国際的な視点に立ち、総合的な教養教育を行います。世界に開かれた自己を育て、さらに地域づくりに取り組むために、自らが立脚する地域の歴史や文化を理解した上で、諸外国の人々と円滑に交流を進めることができる国際感覚を備えた人材の養成を行います。
3. 地域の国際化を推進する力を育てる
自己の国際化をすすめ、地域の国際化に貢献するという本学の基本理念に基づき、国際的な視点で人と人、地域と地域、文化と文化をつなぐ交流機会の創出、国際的な視点からの地域文化の見直しや価値の再発見、地域文化の国内外への発信などを通し、地域の国際化を推進する力を育てます。
4. 個性豊かな地域文化の発掘と創造のできる人材を育てる
文化や社会の国際化、地域の国際化の進む将来において、職場や地域社会では新しい力を求めています。様々に異なる意見を調整してチームで物事を生みだしていく協同力を発揮し、地域の諸課題の解決に向けて国際的に行動できる人材、個性豊かな地域文化の価値の再発見や発信のできる人材、新しいライフスタイルの創造や豊かな暮らし方の提案ができる人材を育成します。
国際文化学部の構成
国際文化学部は、国際文化学科と文化創造学科の2つの学科から構成されています。
国際文化学科では、グローバル化する地域社会に積極的に対応できる人材の養成や地域の国際化を推進できる人材の育成をめざしています。
文化創造学科では、グローバル化の波の中で変容する地域文化に焦点を当て、地域文化を新しい視点から再生、創造できる人材の育成をめざしています。
国際文化学部では、国際社会の文化的諸問題の理解や地域の国際化、地域のまちづくりや文化づくりなどに果敢に挑戦しようとする意欲のある学生を歓迎します。
履修モデル
2つの学科ではそれぞれ重点を置く分野を設定した履修モデルを用意しています。履修モデルを選択し専門性を深めていくのは2年次からとなりますが、自分の個性や興味、得意分野や伸ばしたい領域などを踏まえて、入学時にある程度の方向性を考えておくとよいでしょう。
国際交流能力を育てる国際文化学科には、国内外の実習を通した国際的な行動力に重点を置く国際文化系と、留学等を通して言語能力向上に重点を置く言語コミュニケーション系があります。
地域文化創造力を育てる文化創造学科には、言葉に重点を置いて地域文化の課題にアプローチする日本文化系と、視覚言語やデザインに重点を置いて問題解決にアプローチする企画プロデュース系があります。
詳細は、それぞれの学科のサイトをご覧ください
国際文化学部の教育方針
1年次
国際文化学部の教育の基幹となるのは1年次に履修する4科目です。両学科の学生がともに受講し、国際文化学の原理的基礎知識や人文学的方法論の基礎を習得します。これと同時に、大学共通の基礎科目において大学で学ぶための基礎力を、また教養科目では国際文化を取り巻く社会や自然に対する幅広い知識を習得します。1年次に自立的・自主的な学びの習慣を身につけると同時に、学修計画を立てて2年次から選択する履修モデルについて考える時間とします。
2年次
2年次からは両学科基幹科目や学科基礎科目を履修するとともに、選択した履修モデルに沿って各学科の基礎演習や専門科目を受講し、国際文化学科や文化創造学科で求められる知識や方法論、スキル等を身につけます。授業には、講義や大学内外での実習や演習、国内外での実習や演習、国際交流プログラムを活用したもの、英語で開講される科目など多彩な形態があります。積極的に情報や機会を利用してください。また、各学科で取得可能な免許資格に向けて学修することもお勧めします。
3年次から4年次へ
3年次からの専門演習や卒業演習(卒業論文、卒業報告、卒業制作)では、各学科での学びの集大成をします。学科の専門性を深めるほかに、他学部・他学科の科目を履修することによって視野を広げたり、他大学との単位互換制度を利用したり、海外の大学での修得した単位を認定することもできます。
学修支援
国際文化学部の学修支援としては、チューター教員や学年担任による学修指導があります。履修計画や学修成果を記録するポートフォリオを用いて、各学科で身につける力や到達度を確認し、体系化されたカリキュラム表等を見ながら、各学期の始めと終わりにマン・ツー・マンでの指導を行います。「入学時の夢」、「多様な選択肢の中から自らの意思で選びとる専門性」、「社会への出口」の3点を結び、希望するフィールドに出ていけるようにポートフォリオを活用してください。科目担当教員への質問やチューター教員との面談等は、各研究室前に掲示されたオフィスアワー等を利用してください。
ゴールをセットする!
各学年の初めに、1年後に到達したいゴールや卒業時に到達したいゴールを描き、ポ-トフォリオに書き出します。「有言実行」。自分で書いたステートメントを羅針盤にして、歩んでいきましょう。教員と学生、学生と学生との距離の近い本学部の少人数教育を生かして、自ら積極的に働きかけ、自ら動く習慣を身につけてください。今まで自分が自分に対して引いていた限界や殻を打ち破り、新たな可能性に向けて歩き出すために、本学部の教育を「あなたのために」最大限に活用してください。
国際文化学部長メッセージ
飛び立て! 新しい地に根づく
自分の殻を破り、一歩先に進む勇気をもちませんか。私たち国際文化学部は、あなたのそんな思いを具体化し、形にするお手つだいをします。
みなさんは、子ども時代から青少年期を経て、大人へと移行する段階に立っています。大人の仲間入りをするや否や、あなたは一人前として扱われます。それは、例えば自分で自分のことが管理できるということ、他人に目配りができるということ、親や家族、教師や友人たちから何かやってもらうという立場から、他人に何かを与える立場に大きくシフトしていくことを意味します。
人類の誕生からの気の遠くなるような月日の中で、今この時代に命を受けた意味を問いましょう。70億人もの人々が暮らす地球上において、この地に生を受けた意味を問いましょう。そして、宇宙の一生からすればほんの瞬きの間でしかない貴重な自分の時間、自分に与えられた人生をいかに生きるのかについて国際文化学部で共に考えていきましょう。
高校に比べると、大学時代は実に自由です。勉強する自由もあれば、しない自由も、新しいことにチャレンジする自由もしない自由もあるでしょう。ただし、4年後にはその成果やツケを一生にわたって引き受ける覚悟をしなければなりません。それが大人になるということです。
自分が自分であることの自信をつけて卒業するために、4年間という時間をフルに活用してほしいと願っています。(岩野雅子)
<イラスト> 文化の壁を越え、軽々と空を行く国際文化学部生のイメージをイラストにしました。素直で暖かな人柄は、真の友情を育む力をもっています。陽だまりで肩寄せ合い、助け合い、学び合い、やがて花開いて、それぞれの未来に向かって高く飛び立つシロバナタンポポ。新しい地に根づいて、また新しい花を咲かせ、仲間を呼び集めます。
国際文化学科長メッセージ
文化の力で世界を豊かに! 言語力と行動力で風を吹かせろ!
大学時代は波瀾万丈なものであるべきだと思います。人間が大きく成長するには、新しいものに挑戦すること、殻を割って他人とぶつかること、いろいろなハードルを乗り越えることが必要です。山口県立大学で、自分の器を大きくするように努力していただきたい。学習面においては、机に向かった勉強を大事にしながら、興味をもったことを自ら深く調べて知識を広げ、得た知識を他人に正確に伝える能力を身につけてください。私たち国際文化学科の教員は日本、韓国、中国、アメリカ等の国籍を持ち、東アジアや東南アジア、アメリカやヨーロッパ・アフリカ等の研究領域で幅広い経験を有しています。皆さんの学習を力いっぱい応援します。
大学生活においては、「辛い」「きつい」「できない」ことに数多く挑戦してください。チャレンジしたことを成功させるだけではなく、思い切って失敗もしてみてください。同時に、「楽しい」「面白い」「すごい」という言葉が出るように、変化に溢れたキャンパスライフが送れるよう祈っています。これらの経験があってこそ社会人になれるし、一生涯の素敵な思い出にもなります。どうぞ、山口県立大学で精いっぱい「あなたの今」を生きて下さい。 (ウィルソン・エィミー)
文化創造学科長メッセージ
文化の発掘・創造・発信を通じて地域活性化に貢献しよう
文化創造学科は、グローバルな視野に立ち、地域に軸足を置いて、その資源、歴史、文化などを掘り起こすことにより新しい価値を探求し、未来の豊かな生活のための文化(モノ・コト・イミ)を創造し、広く提言・発信できる能力を修得することを目指しています。
新しい時代における文化を創造するために、日本の文化に興味・関心のある人、生活文化を様々な表現で創造・発信したい人は、ぜひ本学科で学び、多くのプロジェクトに挑戦してください。(井生文隆)
国際文化学部の歩み
平成6年(1994年)に国際文化学部が創設され、16年余りの歴史を刻んできました。国際文化学研究という学問領域のあり方を求めて「山口県立大学国際文化学部研究会」を発足させ、1997年から2000年にかけて様々な分野からの講師を招き、講師と教員・学生間でのディスカッションが行われました。その軌跡をまとめたテキスト「国際文化学の創造」(2002年 明石書店)が発行されました。
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平成9年(1997年)には、『ノーベル賞受賞者を囲む「フォーラム21世紀への創造」』(読売新聞社)の山口セッションを開催しました。ノーベル文学賞受賞者であるシェイマス・ヒーニー氏と大江健三郎氏を迎えて、大学講堂での講演「文学-周縁から普遍へ」や本学教員とのシンポジウム、国際文化学部の学生たちと県内大学生が合同で参加したトークイン・セッション等を開催し、大きな刺激を受けました。
平成17年(2005年)からは4年間にわたって国連大学グローバルセミナー、島根・山口セッションを開始しました(国際連合大学、山口県立大学、島根県立大学、北東アジア地域学術交流財団主催)。国際文化学部の教員がプログラム委員として加わり、他大学の教員とともに全国から応募してくる大学生を対象とした3泊4日のプログラムをリードする役割を担いました。国内外からの著名な講師陣による講義やグループ討論を通して、学生たちの切磋琢磨する姿を地域社会に印象づけました。
平成19年(2007年)から、国際文化学部に新たな一ページが加わりました。従来の国際文化学科に加え、文化創造学科がスタートしました。2つの学科のベースとなるのが「異文化理解、国際関係、地域文化と時代の関係性、地域文化と世界の文化との関係性に関する基礎的な知識と技能」です。講義や実習を通して、言語能力や行動力、新しい価値の発掘・創造・発信能力につながる知識やスキルを向上させます。地域社会や国内外に出向いて、現場の人々から学ぶ体験を重視したカリキュラムを組んでいます。「フィールドワーク実践論」「地域実習」「歴史文化実習」「地域デザイン実習」「文化創造ワークショップ」といった実践型の科目を通して、学生の個性と社会性を伸ばす教育を展開し、その成果を地域に公開・還元しています。
平成20年(2008年)には、文部科学省大学の国際化加速プログラムにおいて、「英語で発信する地域遺産教育の開発~LOLを取り入れた『やまぐち地域遺産スタディーズ』の構築を目指して~」が採択され、主として国際文化学部教員が担当する「日本人学生が英語圏からの留学生とともに英語で学ぶ科目」の充実が図られました。
やまぐち地域遺産スタディーズ
次の10年へ
私たちの思いは、ここに集ってくれた若者の才能を信じることから始まります。自分に自分で限界を引いてしまわないように応援します。一人一人の学生が自分の才能を自分のためだけではなく、多くの人々のために生かしていけるように導きたいと考えています。小さな大学、小さな学部だからこそできることがあります。チャンスはたくさんあります。運を逃さず、プレッシャーに負けないで、大きなことにもチャレンジするための後押しをします。仲間と協力し合い、時には競争し合う環境を創りだし、「やること」「できること」が当然だという雰囲気に変えていきます。そうすることで、自分自身の達成感や喜びが、他者と分かち合える喜びに変化していきます。他者の笑顔が想像(創造)できる人として、次の地に飛び立つ学生の背中を見るのが、私たちの喜びでもあるのです。10年後に社会で活躍する学生の姿を思い描いて、国際文化学部もさらに次の10年に向けて進化を続けます。
